2017年7月16日日曜日

【ビジネス】 東芝解体 電機メーカーが消える日 [大西康之氏]

[著書名] 東芝解体 電機メーカーが消える日 

[著者] 大西康之氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


私自身の生業もあり、2017年のマイベストビジネス書だと思われます。


下記8社の俗に言う電機メーカーについて、経営を軸に著者の30年に渡る分析と考察が書き込まれています

該当会社の社員は無論、投資家から他業界の経営者やビジネスマン、学生まで誰が読んでも得る物が多い一冊ではないでしょうか。


業界知識に慣れている人間には一気読みの名著ですが、門外漢の方には時間はかかるかもしれません。

これほど専門的かつ文才ある著書を私がまとめるのもおこがましいので、この書評では各企業への論調について端的に述べておきます

読者の興味が少しでも助長されればと。


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・東芝


徹底的な悪として書かれている。

東芝崩壊の中枢である原発を粉飾するために別の粉飾決算を使い、それすらあくまで「不適切会計」と呼んでドジっ子ぶるあたり、確かに筋金入りの悪である。


皆さんがニュースで聞いている100倍、技術や経営、ビジネス状況について書きこまれているが、ニュースと変わらない点は、やはり東芝は終わりのようである。

原発事業はその歴史も関わり税金で支えられているため、「終わり」の定義も多義にわたり、またここでも悪を感じざるを得ないが。


※本書は当然実名で特定の経営者たちを批判または賞賛しており、また強調すべき点は、あくまで「経営者」について悪だ何だと描かれています

一般社員を一括りにして批判するほど安い識者では当然ありません。


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・NEC


徹底的な無能として書かれている。

本書のタイトルと反し実は賞賛されている企業も複数あるが、「この本はこの企業のために書いた」とばかりに完膚なきまでに批判されている。


日本企業凋落の象徴、IT大手で唯一の減益予想だが見慣れておりもはやニュースにもならない等散々に書かれている。

また、この8社ならば最後の章に書かれるべき企業がなぜ2章なのかと不思議に思ったが、この後の章でも度々「最悪の例」として登場する特別扱いである。


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・シャープ


今までのシャープが消え、鴻海によって奇跡の復活を遂げたストーリーが濃厚に書かれている。

特にこの章では日本の技術という「幻想」について書かれており、日本人としても非常にインプットの多い章である。


奇跡の復活を遂げたシャープ。

株主は鴻海に感謝感激であろうが、去った社員も残った社員も果たして。。


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・ソニー


消えることなく長いトンネルを抜けて復活した企業。

リカーリングビジネス等、技術に加えビジネスについても学ぶ点多々あり


創業家との確執や課題点も書かれてはいるが、1章の東芝と2章のNECで完全に麻痺しているため、何を書かれても「応援」程度にしか聞こえてこない


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・パナソニック


ソニーや後述の三菱電機に比べると批判的な論調。

読み進めるうちに事業、会社の構造共に問題の根は深く、株価が冴えない理由にも納得。


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・日立


これほど巨大なグループが消える頃には上述の企業は跡形も無く消えているわけだが、ここも批判色は強めな論調。


著者の言葉を引用すると、「勝ち組と表現されているが、粉飾決算の東芝や、衰退の一途をたどるNEC、液晶一点張りで自滅したシャープなど、比べる相手が悪すぎるだけである」


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・三菱電機


ほぼポジティブなことしか書かれていない

実際、時価総額や経営層の年収、就職人気などでも、この10年で上記他社の大半を一気に抜き去っている。


経営の勝因は個人の人生訓にも当てはまると思い、この本で唯一心が癒される章である。


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・富士通


コンピュータの天才の話は記憶に残る。

NECの章に比べて明らかに文章量が少なく、ここを批判するなら…ということであろう。


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以上、個人的には業界、経営、投資、技術とどの側面でも「面白過ぎる」一冊であり、8社全てに知り合いもいるため、至極当然本棚の一軍に飾られました。


私個人を知る方からは私に書いて欲しいことがあるのは重々感じますが…、無益なのでもう書評しか書きません。笑

友人の方は飲みましょう。もう伝えたくて仕方ないことが山ほどあります。笑
 




※詳細は画像より



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著者:ひさなお

 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
 慶應義塾大学→UCLA→大手IT企業。

  第3回マイナビ作品コンテスト最優秀賞受賞。 

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2017年7月2日日曜日

【マーケティング】 #HOOKED [パトリック・ファーガン氏]

[著書名] #HOOKED 

[著者] パトリック・ファーガン氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


マーケティングに関しては古典は無論、特異なアプローチや特定分野に絞った物まで貪るように読んだ時期があります。

なぜなら、どれだけ学んだとしても「再現性」が確認できなかったためです。

理論と現実に非常に大きな乖離のある分野ではないでしょうか。それだけ「他人を動かす」ということが大変なのですが。

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さて、その中で本書はポジティブサプライズでした。

単なる仮説的なテクニックの紹介では一切なく、心理学や脳科学の最新の研究結果の説明をメインにし、そこからマーケティング理論に結びつけます

心理学や脳科学自体のインプットも豊富で(それ目的で読んでも十分満足)、例えば流行りの脳科学ならば「無意識」とマーケティングを繋げています

やはり日本人が日本に向けて書いたレベルとは次元が異なり、世界からわざわざ日本にまで届く本は間違いがありません。


10のマーケティング理論が述べられていますが、おそらくほとんどの方にとってはそこに至る様々な最新研究結果こそ面白いのではないでしょうか

分厚いですがカラーで見やすく、バイブルとして置いておくに値すると思います。



※詳細は画像より




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【科学】 「超常現象」を本気で科学する [石川幹人氏]

[著書名] 「超常現象」を本気で科学する 

[著者] 石川幹人氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


以前も書いた通り、ここ数ヶ月読んでいる本の半分は科学や数学です。

経済などは既知の知識や考えが積もってあまり目新しさを感じず、一方で門外漢の科学などは読めば読むほど新しいインプットが増えるので楽しい気がします。


とはいえ、これだけ読んでいると知識だけはすっかり体系立ってくるのですが、本書は斬新なアプローチで科学について学べることに加え、ギャンブルや脳科学など知識の応用も得られるのでお薦めです


幽霊やポルターガイスト、金縛りや超能力、お守りの効用などなど、くだらないと思いつつも多くの人間から特別扱いを受ける領域(それ故心霊商法など詐欺被害も膨大)について、最新科学で分析や考察をしています。


特に、単に幽霊とはなんぞやを定義付けするのではなく、社会的な役割や構造まで提言しているのは読み応え抜群です。相当に面白いです。

ちなみにですが、ポルターガイストはどうも実在するようですぞ。。笑

あなたの周りで突然物が動いたら、どうぞ周辺の知人にお気を付け下さいませ…。笑


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2017年6月10日土曜日

【ジャズ/漫画】  BLUE GIANT 10 (最終巻) [石塚真一氏]

[著書名] BLUE GIANT 10 

[著者] 石塚真一氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]



以前1巻だけは感想を書いたBLUE GIANT(ブルージャイアント)。


正直、全ての巻について思いを書きたいほどの名作で、過去も含めマイベスト5に入る漫画でした。


2巻の終わりは同じ3人兄弟として泣かされましたし、夢叶わなかったジャズプレイヤーたちに居酒屋で言ったあの言葉は、これだけ貪るように本を読みまた書いてもきた私ですら、ずっしりと残る名言でした。


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私はこの漫画のキャラクターたちのおかげですっかりジャズが好きになりました。(10年弾いてきたピアノを発情してまた始めましたし。笑)


何より、ジャズだろうが音楽だろうが何だろうが、これと決めた道に人生をかけて突き進み続ける姿は、夢なんて物を持っていた変わり者の私にはたまらない青春を思い出させてくれました


最近の漫画界はとにかくニッチ化が進んでいますが、そんなポジショニングなど一切関係なく、石塚氏にジャズを書いてもらって本当によかったです


この世界観の大ファンです。どんどんグッズを出して下さいませ。笑


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最後に、ネタバレは避けつつもやはりこの10巻、そしてこの物語の是非にすら根本から影響を与え得るほどの「あの出来事」


小さい文学賞を獲る程度の小説家として1つだけ言えるのは、物語とは時に作者が「考える」領域を超えて「そうなってしまった」を生み出す物です。


生み出したことの無い人間が一部分だけをとって偉そうに「結果論」を騒ぐのはいただけません。(とは言えその作品を好きになり、「買い」、そして想いをぶつける人は好きです)


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ここまで書きつつ、一人のファンとして想いをぶつけるとすると、私はやはりつらいです。


これが映画だったならば(作品として)圧巻だったかもしれません


けれど、このブルージャイアントの世界に、あのラストは本当に必要だったのか

普段のエリートぶっている私を知る人間は「何を漫画に熱くなっているのだ」と不思議に思うかもしれませんが、それだけ、あれは衝撃でした。


直視できませんでした。あの一コマ


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……と、ここまで書けば読んでみたくなった方も多いとは思います。(小学館、感謝してくれたまえ。笑)


この世界のキャラクターたちに出会えて本当によかったです。

彼らを生み出したジャズにも感謝。




↑こちらが1巻





これが10巻




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著者:ひさなお

 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
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【不動産】 不動産格差 [長嶋修氏]

[著書名] 不動産格差 

[著者] 長嶋修氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


一種ブームかと思うほど「不動産崩壊理論」が本屋を埋め尽くしています。


ここでもお勧めした2040年全ビジネスモデル消滅 (文春新書) [ 牧野 知弘 ]老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書) [ 野澤 千絵 ]の新書は確かに衝撃でした。

需給をベースとし実社会に基づく不動産は、株よりはるかに「予想」に現実性があります。


さて、本作ですが、総合点が非常に高いお気に入り満点の一冊でした。


著者が不動産業のコンサルタント会社を経営しているだけあり、理論と実践の両方を兼ね備えている点が特に気に入りました。


人口減少、不動産価値の下落、供給過多になる、という理論は正直飽きてきました。元となるデータや現象はどの理論も似通っています。

もちろん改めてその理論を学ぶのも楽しめましたが、では「どうすればよいのか」が本作には述べられています


投資というより住居の用途に軸足を置いて書かれている点も好感です。

さすが日本経済新聞出版社とも思う一冊でした。




※詳細は画像より





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【数学】 数学的コミュニケーション入門 [深沢真太郎氏]

[著書名] 数学的コミュニケーション入門 

[著者] 深沢真太郎氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


「数学」をテーマに書かれた書籍はこのブログでも度々紹介してきました。


予測の技術 [内山力氏]


数学流生き方の再発見 [秋山仁氏]


フェルマーの最終定理 [サイモン・シン氏]



その中で、本書は数学を「仕事スキル」に活用させる良書だと思います。


物事を定量的に分析する技術から、グラフやExcelの本当に意味ある使い方、数学的プレゼンまで、仕事に使えそうという観点では面白いです


一方で、純粋に数学系の新書を期待すると用途が少し異なるため、もう少しがっつり数学で楽しませて欲しい、と思うかもしれません


もちろん「仕事に活かす」需要の方がはるかに多いためお勧めはできます。ただ私はもっと知らない世界が知りたかったですが。



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※詳細は画像より




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著者:ひさなお

 TOEIC満点、作家、投資家、IT企業グローバル人事、馬券師。
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2017年5月21日日曜日

【ビジネス】 戦略がすべて [瀧本哲史氏]

[著書名] 戦略がすべて 

[著者] 瀧本哲史氏

[おすすめ度] ★★

[読みやすさ] ★★

[知識習得] ★★★

[ひとこと]


以前紹介した武器としての決断思考 [ 瀧本哲史 ]の作者で、前回は決断への思考法を1冊通して教示しているのですが、本作はビジネスからネット社会、政治まで幾多のケーススタディが紹介されています


「著者買い」の1人で、様々な分野に渡る30近い「戦略」の分析は圧巻です。


・AKBから鉄道会社にまで通じる「プラットフォームビジネス」

・資本主義のカラクリ

・ネット炎上商法の仕組み

・本物の教養とは

・コモディティでしかない地方政治家


などなど、瀧本氏ならではの考察と書き込みはどの著作も本当に間違いがありません。


実は、このように読了した後には上手く整理できるのですが、途中までこの本のタイトルがいまいちピンときていませんでした。本としては満足だけど、なぜこのタイトルなのかと。


それが最後の最後で全て繋がった時、「これが戦略か」と(勝手に)驚きました。

このタイトルを思い出せるだけでも、一軍の本棚に置く価値ありだと思います。




※詳細は画像より




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著者:ひさなお

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